システム開発でこの3つのバランスを上手くとるのがプロマネの仕事といってもいいと思う。
いわゆるQCD。(Quality, Cost, Delivery)
コストとスケジュールは所与の条件となり、この制約の中で品質をいかに向上させるかがプロマネのウデの見せ所。
通常はプロジェクトが進むにつれて、品質、スケジュールの課題が多発し、コスト増、スケジュール伸長に繋がる。これを抑えるために良くやるのがスコープコントロール。そう考えると結局4つの要素を上手くコントロールするのがプロマネの仕事となる。(スコープも大きな意味での品質に含まれると考えることもできるが)
プロジェクトの成否を大きく左右する要素の一つとして、プロジェクト初期段階での、パッケージ・ベンダ選定がある。これはプロジェクト導入時点だけでなくその後5年、10年と続くシステム保守運用にも大きく影響する。
プロジェクト予算が十分でない場合は、このパッケージ・ベンダ選定で安かろう・悪かろうを選択してしまうリスクが高い。これがプロジェクト本格化後に低品質、スケジュール遅延を生み、プロジェクト推進に多大なコストを要求することになる。
また、だいたいにおいて、保守まで見据えたコストシミュレーションはこのタイミングではされない。初期導入までの道のりで問題の多かったシステムは、保守も容易ではない場合が多い。
そもそも大幅な予算超過、スケジュール遅延が発生した場合、プロジェクトが本番稼動まで漕ぎ着けられない場合すらある。
とはいえ、こういったリスクをプロジェクト初期段階でプロジェクトオーナーや経営層を納得させられるレベルで明確にすることは、大規模なプロジェクトになるほど難しい。
「このパッケージ・ベンダでは失敗するリスクが高いですよ」
「予算超過してでもこちらを採用すべきですよ」
と言って聞き入れられるためには、説明する側の論理性、説得力もさることながら、説明を受ける側の理解力や経験も大きく左右する。
どうしても予算を増やせず、安かろう・悪かろうを選ばざるを得ない場合は、事前にリスク分析を行い、プロジェクトのアプローチ(戦略)を良く練る必要がある。
例えばフルスコープでのビッグバンアプローチはこの場合、非常にリスクが高いため、
・スコープ分割
・段階ロールアウト
・プロジェクトマイルストーンの設定と各マイルストーンでのプロジェクト評価の組み込み
などが考えられる。
そうしないと大半の予算を使い切った後にリスクが顕在化してしまい、建て直しに多大な労力を割くことになる。あるいは最悪の場合、プロジェクトが頓挫する。
何でこんなことを書くかというと、今この点でとても苦労しているから。。
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