2015-07-20

タイに来て10ヶ月。英語に関して思うこと。

タイに赴任して10ヶ月程度経過。英語について少し思うところをメモ。
ちなみに今の職場での会話は英語50%日本語50%程度。会議だけに限ると英語が80%程度。ドキュメントは100%英語。

こちらに赴任する前の自分の英語の実力はというと、
・海外在住経験無し
・仕事上での英語経験もほぼ無し(せいぜいメール、Web会議程度)
・海外出張経験2回のみ(米国&カナダ、いずれも1週間程度)
・TOEIC835点(5,6年前のスコア。。)

ということで、いわゆる典型的な海外経験の少ないドメスティック人間。
赴任するにあたり、英語力の不安がなかった訳ではないが、何とかなるだろう(というかするしかない)という楽観的な感覚もあった。

実際来て感じたのは、ビジネスで英語を使えるようになるためには、「まずは、ヒアリングが出来ないと話にならない」ということ。
業種にもよるが、ITコンサルという仕事は1日のほとんどが会議なので、英語の会議で何を言っているのかが理解できないと、発言すらままならない。会議というのは基本的に議論の積み重ねなので、会話の内容が分からずとんちんかんなことを言っても白い目で見られるだけだ。
ということで、英語で仕事をする際の最初の壁はヒアリング能力と言える。

個人的には10ヶ月経過して、ようやく英語の会議に対する心理的抵抗がなくなってきた。最大の理由はやはりヒアリング能力が改善されたから。特にこの職場ではタイ人、インドネシア人、インドネシア人、マレーシア人といった英語非ネイティブの人間ばかりなので、アクセントもさまざま。文法や構文の間違いも普通で最初は面食らった。

こういう環境はまさに「習うより慣れろ」の世界なので、英語で仕事ができるようになりたいと考えている人は、英会話を学ぶのもいいが、ある程度のレベルまで来たらさっさと海外プロジェクトを経験してしまったほうがいい。実務では、人種の違い、ロケーションの違いなども入り混じり、コミュニケーションの難しさを肌で感じることが出来るし、そういう難しさの中で効率的に伝える・話すということを学ぶことが出来る。

母国語以外で仕事をすることのもう一つのメリットは、ロジカルに伝える能力が磨かれる点だと思う。母国語で話す場合は、あいまいかつ非ロジカルな表現であっても言語的・文化的バックボーンが共通しているので伝わることでも、外国語で話す場合は自分の伝えたい意図をきちんと整理してことばや図にしなければ伝わらないことが多い。ロジカルに考え、伝える能力はコンサルタントにとっては特に重要な能力なので、海外プロジェクトを経験するメリットはこういう点にもある訳だ。


ちなみに、日本人的に高校英語程度のレベルがあればドキュメントを読む、書くはそれほど時間をかけずとも対応できるようになると思う。もちろん仕事によって求められるレベルは違うだろうが、ITコンサルという仕事に限っていえば、メールやパワポ、Excelでの資料作成が中心であり、語彙も限られているため、それほど高いレベルを要求されるわけではない。